イベント

AIC主催イベント第2回「AICキャリアラボ」を開催しました

2025.03.07  written by 

2025年2月28日、第2回「AICキャリアラボ」が開催されました。
本イベントでは、学生が将来的なキャリアを考える機会として、AIビジネスの最新動向や就職活動のトレンドに関する講演を実施しました。また、各業界で活躍する慶應義塾大学出身のOB・OGをお迎えし、彼らの経験や知見を共有する座談会を開催しました。

竹中氏による講演

最初に、ビズリーチキャンパスの立ち上げを手がけた竹中氏が登壇し、ご自身のキャリアの変遷とそれに伴う価値観の変遷を語られました。

竹中氏は、パナソニック入社後、医療・介護向けのサービスロボットの開発に携わり、その技術を活かした美容室向けのトータルビューティソリューションを手がける中で、「体験」という価値が大切であると考えるようになりました。

その後、パナソニックのリクルーターを経て採用担当者となり、優秀人材の確保に取り組む中で、「就職活動をいかにエンターテイメント化するか」ということに強い関心を寄せるようになりました。2016年にパナソニックを退職後、体験価値をアップデートする会社(株式会社GLROWS)を設立。ちょうどその頃、ビズリーチの創業者である南氏との出会いもあり、自身の会社を経営する傍ら、「ビズリーチキャンパス」の立ち上げにも携わりました。現在も、「ビズリーチキャンパス」のトータルプロデュースと、自身の会社の体験デザインを通じて、就職活動を行う学生に、「体験」と「エンターテイメント」という新しい形を提供し続けています。

今回の講演では、参加学生から「まず大企業に就職してキャリアを積まないと、転職が難しいと聞くが、それは本当ですか?」という質問がありました。竹中氏は、「10年前であれば、それが正解であると答えたかもしれないが、現在は大企業からキャリアをスタートしても、ベンチャーからキャリアをスタートしても、どちらも転職はできるので全く関係ない。」と答えました。さらに「大企業とベンチャーは、それぞれ特徴がある。例えば、大企業は扱う事業規模が大きいので、普段扱う金額も億単位になる。しかし、事業が大きい分だけ様々な部署が1つのプロジェクトに参画し、業務が細分化され、自分が関わる範囲も限定的になる。一方、ベンチャーは大企業と比べると扱う事業規模が小さいので、1000万円を超えると大金という感覚かもしれない。しかし、細分化された部署で働くのとは違い、広い視野を持ちつつ様々な業務を担うことができる。どちらがいいかは、皆さん自身の向き・不向きと志向による。」と解説されました。

OBOGによるキャリア講演

次に、IT業界で活躍する卒業生が登壇し、それぞれの就職活動や入社後のキャリアパスについて語りました。

外資系IT企業に勤務するOBは、同期のレベルの高さに刺激を受けながら成長できる環境について語りました。また、クラウド技術を活用した業務のやりがいとして、幅広い業界の課題解決に貢献できる点を挙げ、技術とビジネスの両面から価値を提供する面白さに触れました。同じく、外資系IT企業に勤務するOGは、文系出身の視点からIT業界のキャリアについて共有しました。技術職だけでなく、ITコンサルティングやマネジメントなど、幅広い選択肢があることを強調し、文系でもIT業界で活躍できる可能性について言及しました。また、国内IT企業に勤務し、現在は社会人大学院生として学ぶOBは、ここ20年間のIT業界の変化について語りました。技術の進歩が早い業界である一方、求められるスキルやビジネスの方向性も変化し続けるため、継続的な学習と適応力の重要性を指摘しました。

パネルディスカッション

続いて行われたパネルディスカッションでは、OB・OGの業務内容に加え、外資系企業と日系企業の違いについても活発な意見交換が行われました。また、アジャイル開発の考え方や、その実務における具体的な実践方法についても説明がありました。特に、変化の激しいIT業界において、短期間で開発を進めながら柔軟に対応する重要性が強調されました。

最後に、生成AIの実務活用についても議論が交わされ、企業がどのようにAI技術を導入し、業務の効率化や新たな価値創出に活かしているのかが紹介されました。特に、日系企業と外資系企業ではAIに対するアプローチが異なる点が興味深く取り上げられました。日系企業は 「日本市場に適したAIを国内発で開発すること」 に注力する傾向があるのに対し、外資系企業は 「WatsonX」 などのグローバルなAIプラットフォームを活用し、既存の強みを生かしながら展開しているという視点が共有されました。こうした違いを通じて、企業ごとの戦略やAI導入の方向性について深く考えさせられる場となりました。

座談会

座談会は、参加者がOB・OGに自由に質問を投げかける形で進行しました。

まだ本格的に就職活動を始めていない学生からは、多くの不安の声が聞かれました。これに対し、OB・OGからは、実体験に基づいた具体的な就職活動の進め方や、業界を選ぶ際の軸の定め方についてのアドバイスが寄せられました。また、学生同士で情報交換ができる就活支援サービスの紹介もあり、参加者にとって 「現場のリアルな意見」 を直接聞ける貴重な機会となりました。

さらに、OB・OGからは、学生たちを励ます温かいメッセージも送られました。「今の時代、転職は珍しいことではないので、気負い過ぎずに就活にチャレンジしてほしい」「入社すれば企業がしっかり育成してくれるので、学生時代は自分が本当にやりたいことに時間を使ってほしい」「業界選びの軸を決める際には、データに基づいた自己分析だけでなく、直感や感性も大切にしてほしい」 など、就職活動を前向きに捉えられるような言葉が贈られ、学生たちにとって大きな励みとなりました。

参加者からは、「OB・OGと直接話すことで業務内容を具体的にイメージできるようになった」という声が多く聞かれ、IT業界の特徴やキャリアの選択肢について理解を深める貴重な機会となりました。


第3回は3/12(水)にメーカー業界をテーマに開催予定です。

ページトップ