講習会

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量子コンピューティング実践

回数:全5回

形式:オンデマンド

主催:AIC

1)講習会概要

本講習会は、「量子コンピューティング入門」で量子計算の基礎を学んだ方を対象とする。ここからはいよいよ量子コンピューターの実践的側面に踏み込んでいく。第1,2講では、量子コンピューターの歴史や発展を具体的な事例とともに紹介することで、量子コンピューター研究の現状を明確にしていくことを目的とする。第3講では「量子コンピューティング入門」の全体的な復習を行い、今一度量子コンピュータを理解するための基礎事項について地盤を固める。その内容に基づいて、第4講・第5講では実用的なアルゴリズムであるグローバー探索と量子誤り訂正について取り扱っていく。

2)各回の実施内容

第1回 量子コンピュータの概観

本講義ではまず初めに、量子コンピュータの概観を掴むことを目標にする。量子コンピュータとは何か?というものを大まかに理解し、その歴史を理解する。その後、量子コンピュータがゲート型量子コンピュータ、量子アニーリングに分類されることを説明しそれぞれのイメージを掴む。その後、量子コンピュータハードウェアから量子コンピュータの現状に触れる。最後に、量子技術への投資状況から量子コンピュータが注目されている技術の一端であることを知る。

第2回 量子コンピュータの研究状況

第2回では、量子コンピュータの研究状況を知ることを目標にする。本講義からゲート型量子コンピュータに話題を絞って進める。ゲート型量子コンピュータ研究においては、「Fault Tolerant Qunantum Computer: FTQC」と呼ばれる将来的に理想的なゲート型量子コンピュータに対する研究と「Noisy Intermediate-Scale Quantum: NISQデバイス」と呼ばれる現在実現している中規模なコンピュータに分類される。それぞれの研究状況を俯瞰し研究状況の観点からも理解を深める。

第3回 量子計算の基礎

ここでは「量子コンピューティング入門」で取り扱った内容を中心に量子計算の基礎について包括的に復習を行うことを目的とする。量子ビット・量子ゲートの復習をするだけではなく、量子コンピューターに影響を与える「ノイズ」を取り扱うために新たに導入される「密度演算子」についてもここで説明する。本講義で取り扱う内容は、以降の講義で取り扱うグローバー探索や量子誤り訂正を理解するための重要な地盤を与える。

第4回 量子アルゴリズム①

本講義では第3回に扱った量子計算の基礎を用いて、実際に量子コンピューターにとって実用的なアルゴリズムである「グローバー探索」について学んでいく。この量子アルゴリズムは古典的なアルゴリズムよりも効率的であり、量子回路の実装も比較的容易であることがわかっている。なお、この量子アルゴリズムはFTQC(誤り訂正付き量子コンピューター)を前提としているため、ノイズの影響についてはここでは取り扱わない。

第5回 量子アルゴリズム②

本講義では第3回に扱った量子計算の基礎を用いて、量子誤り訂正の基礎について学んでいく。量子誤り訂正は、ノイズが入ってしまうことが避けられない量子コンピュータにおいて非常に重要な技術でありFTQCの実現のために必要不可欠である。量子誤り訂正の最も基礎的な内容である3量子ビット符号やアダマールテストなどの具体例を理解し,量子誤り訂正のイメージを掴む.最後に全体を復習して講義を終える.

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