活動報告
イベント
2024.12.27 written by
12月7日(土)、日吉協生館AICラウンジにおいて「AIC Conference 2024 Winter Edition」を開催しました。AIC Conferenceは2022年に始まり、義塾内の様々な学部で行われているAIに関する研究を、一堂に集めて発表するために毎年開催しており、今回で3回目となります。Winter Edition では、9月に発足した慶應AIセンター(以下、KAIセンター)の取り組み紹介や、次世代 AI 人材育成プログラム「Keio-BOOST」に参画している博士学生によるAI研究の発表が行われ、慶應義塾の高校生から社会人まで、多様なバックグラウンドを持つ聴講者が集いました。
冒頭、AIC代表であり、大学院システムデザインマネジメント研究科教授の矢向高弘より挨拶がありました。AICの活動やカンファレンスのこれまでの歩みを振り返りつつ、義塾の学生が生成AIをはじめとするなど最先端の研究に触れることの重要性について述べました。また、2024年度のノーベル物理学賞、化学賞では、初めて人工知能分野の研究者が受賞したことにも触れ、実践的なAI研究と教育の裾野を広げていくことの大切さを強調しました。
続いて、KAIセンターの所長であり、理工学部教授の杉浦孔明より、今年度9月に設立されたKAIセンターについての紹介がありました。このセンターは、2024年4月に調印された慶應義塾大学・カーネギーメロン大学(CMU)の共同研究プロジェクトの拠点として、学際的な連携が期待されています。杉浦所長は「このプロジェクトが慶應・CMU双方の研究の質や多様性を高めるだけでなく、国際的なAI分野での競争力向上に寄与する」と述べました。
次に、鶴岡サイエンスパーク代表理事の冨田勝氏による招待講演が行われました。富田氏は「AIにできないこと:脱優等生のススメ」というテーマで講演し、研究やビジネスでの様々なブレイクスルー事例を紹介しました。特に、Spiber株式会社による人工クモの糸「Brewed Protein™️」の開発事例は、学生たちの関心を引きました。
講演後半では、「AIとバイオテクノロジー」に焦点を当て、AIにできないこと=人間だからこそできることの価値ついて語られ、最後は「夢中は努力に勝る」という言葉で締めくくられました。冨田氏の講演は、研究に邁進する学生を勇気づけるような内容であり、多数の学生に感銘を与えました。
午後からは、「Keio-BOOST」の博士学生を中心に、塾生8人による研究発表がありました。発表後の質疑応答では参加者から積極的な質問が投げられ、活発なディスカッションが行われました。参加した慶應義塾高等学校3年生の学生は「AIの推論能力に関する発表が非常に興味深かった。色々な方と交流の場が持てるAICに今後も期待したい」と感想を述べていました。
懇親会では、学生と社会人の間で活発な意見交換が行われ、生成AIやAICの未来についての建設的な会話が交わされました。これをもってAIC Conference 2024 Winter Editionは無事に閉幕いたしました。ご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。