活動報告
イベント
2024.11.30 written by
11月20日(水)、本学はMicrosoftのCTOであるKevin Scott氏をお迎えし、慶應義塾大学の伊藤公平塾長と100人以上の塾生を交えてのFireside Chatを開催しました。
今回のイベントでは、「AIはエレベーターのように学問の山を登る助けとなる」という塾長の考えのもと、AIと人間が未来においてどのように共創的な関係を構築できるかについて活発なディスカッションが行われました。
イベント中、参加者たちはAIをどのように活用すべきかといった具体的な方法論について意見を交わしました。AIを利用することで自分が最も力を注ぎたい知的活動に集中できる環境を構築し、他のタスクをAIに任せることが模索されました。これは学業だけでなく、生活全般における質の向上に寄与するものであり、多くの学生が共感を示しました。
また、ディープフェイク技術のような倫理面での課題についても議論が行われました。社会全体でこうした新技術による影響をどのように管理し、人間の尊厳を守りつつ効果的に活用できるかという視点が重視されました。
さらに、Scott氏からは、「AIを活用するために必要なのは具体的なスキルよりも、好奇心や柔軟な思考、挑戦する姿勢といったマインドセットである」という指摘がありました。「AIによって成し遂げられることが誰もができることなら、それは面白くない。extraordinaryなことを可能にする時にこそ面白さがある。不可能と思われることは単に難しいだけである。ここ数年でさまざまな技術革新が起こってきた。研究にしても起業においても、野心を高く設定し挑戦することが重要である。」という発言が印象に残りました。
QAセッションの際、学生から個人の時間管理や趣味に関する質問があり、それに対し、塾長からは”Studying is one of the best hobbies.”、Scott氏からは”Working hard is my hobby.”という発言があり、会場は大いに盛り上がりました。多忙な現代社会において意識的にプライベート時間を大事にすることが、創造的なAI利用に寄与するという考えも示されました。特に、Scott氏は、日本が伝統を維持しながら新技術を取り入れる能力が高いことに言及し、これは参加者に大きな自信を与えるものとなりました。
大学の存在意義についても深い議論が交わされ、AI時代における大学の役割が「イノベーションを促進し、社会に積極的に影響を与える場」として示されました。学生たちはAI技術への適応と理解を深めることで、「半学半教」の精神がさらに重要性を増すことを認識しました。
最後に、11月18日(月)にオープンしたTokyo Labについて、Lab長の松下康之氏よりご紹介があり、イベントを締めくくりました。このイベントで得た洞察は、参加した学生にとって、これからのAI時代を切り拓く原動力となると思われます。AICは今後もこのような貴重な機会を塾生に提供し続ける所存です。