講習会

for 塾生

募集中

量子コンピュータ・擬似量子技術を用いた組合せ最適化

11/25(月)、11/26(火)10:00-13:10

回数:全6コマ(1日3コマx2日間)

形式:対面

主催:AIC

締切:11/22(金)12:00

講習会の概要

 本講習会は、量子コンピュータまたは擬似量子技術を用いた組合せ最適化に焦点を当てた内容です。
組合せ最適化問題は、シフトスケジュールの作成や物流計画など、私たちの社会と産業のあらゆる場面で現れる重要な課題です。しかし、問題の規模が大きくなると、組合せの数が急激に増加する、所謂「組合せ爆発」が発生し、解決が難しくなります。そのため、量子コンピュータを用いた組合せ最適化が注目を集めています。
 本講習会では、量子コンピュータの一種である「量子アニーリング」による組合せ最適化について学びます。具体的なデモンストレーションを通じて理解を深め、擬似量子アニーリングマシンを用いたプログラミング演習を行うことで、参加者が組合せ最適化問題を解くプロセスを実感できる機会を提供します。
 量子技術の実践的な応用を体験し、この革新的な分野における理解を深める絶好の機会です。皆様のご参加をお待ちしております。

形式

対面(日吉協生館2階 AICラウンジ)
※録画およびオンライン配信の予定はありません。

講師

服部 智大(理工学研究科 基礎理工学専攻 後期博士課程)※写真下
小川 涼(理工学部 物理情報工学科)

対象

塾生および教職員

  • 量子コンピュータを用いた組合せ最適化やプログラミングに興味がある方(for文などPythonの簡単な文がわかることが望ましい)
  • 量子コンピュータについての特別な知識は不要
  • 文理学年不問

※受講申し込みが多い場合には、抽選することもありますので、予めご了承ください。

持ち物

Google アカウント(keio.jp)、ノートPC

各回の実施内容

第1回
組合せ最適化問題とその解法
11/25(月)10:00-10:45質疑応答10:45-11:00組合せ最適化問題は、目的関数、制約条件、および決定変数で構成され、これらの制約条件の下で目的関数を最小化または最大化する最適な決定変数の組合せを見つけ出すことを目的としています。この問題は、純粋な学術的興味を超え、実際の産業応用においても非常に重要です。しかし、問題の規模が大きくなるにつれて、可能な組合せの数が急激に増加し、解の候補数が爆発的に膨らみます。その結果、厳密解を得るアルゴリズムの適用が困難になるため、発見的な探索手法を用いた解探求が必要とされています。
本講義では、組合せ最適化問題の基本的な概念から、それが適用される様々な産業分野までをわかりやすく解説します。また、一般的な解法についての簡単な紹介に加え、今後の革新的な解法として期待されている量子アニーリングマシンやイジングマシンの仕組みと可能性についても説明します。
第2回
組合せ最適化問題とイジングモデル
11/25(月)11:05‐11:50質疑応答11:50‐12:05組合せ最適化問題を量子アニーリングマシンまたはイジングマシンを用いて解決するプロセスは、次の4つのステップに分けることができます。1. 組合せ最適化問題の抽出、2. 組合せ最適化問題の定式化、3. 量子アニーリングマシンまたはイジングマシンによる解探索、そして4. 得られた解の解釈です。特に、第2ステップの定式化では、量子アニーリングマシンやイジングマシンが受け付ける入力形式が制限されているため、組合せ最適化問題をイジングモデルまたは二次制約なし二値最適化(Quadratic Unconstrained Binary Optimization, QUBO)の形式に変換する必要があります。
本講義では、このようにして組合せ最適化問題を解く流れ全体について学びます。また、第3回の講義では実際にデモンストレーションを実施するための準備も行います。
第3回
組合せ最適化問題を解く
11/25(月)12:10-12:55質疑応答12:55-13:10量子アニーリングマシンやイジングマシンを用いて組合せ最適化問題を解く際には、まずイジングモデルまたはQUBO形式で問題を入力し、マシンから得られた出力を基に結果を解釈することが必要です。また、これらのマシンは通常、クラウド経由でアクセスし動作させる必要があります。
本講義では、量子アニーリングマシンやイジングマシンを活用するためのプログラミング技術を実践的に学びます。さらに、実際のイジングマシンを用いて簡単な組合せ最適化問題を解くことにより、実践的な解を探索するプロセスを体験していただくことも目的としています。
第4回
制約付き組合せ最適化問題の定式化
11/26(火)10:00-10:45質疑応答10:45-11:00組合せ最適化問題の多くは、特定の制約条件を伴います。例えば、シフトスケジュールの作成においては、1週間内のシフト回数や勤務時間の制限、物流ではトラックの容量や配車台数の制限が代表的な制約条件です。このような制約付きの組合せ最適化を量子アニーリングマシンやイジングマシンで解決する際には、ペナルティ法を用います。ペナルティ法は、イジングモデルやQUBO形式に制約条件を効果的に組み込むための手法です。
本講義では、ペナルティ法を活用した制約付き組合せ最適化問題の定式化を詳しく学びます。また、ペナルティ法を用いることでどのようにして問題を効果的に定式化できるかを理解し、その応用可能性を掴むことを目指します。
第5回
量子アニーリング・イジングマシンを用いた組合せ最適化(実践)
11/26(火)11:05‐11:50質疑応答11:50‐12:05第4回までの講義では、すでに定式化が知られている組合せ最適化問題について学びました。しかし、実際の現場では、社会に存在する複雑な組合せ最適化問題を適切に抽出すること自体が難しいケースが多々あります。そこで、本講義では、複雑なデータから組合せ最適化問題を抽出し、その解を導くまでのプロセスをプログラミングを通じて体験します。
このプロセスについて学ぶことで、量子アニーリングマシンやイジングマシンを用いて組合せ最適化問題を解決するために必要な総合的なスキルを身に付けることを目的としています。
第6回
量子アニーリング・イジングマシンを用いた組合せ最適化(実践)
11/26(火)12:10-12:55質疑応答12:55-13:10第5回の内容を引き続き進めます。今回は、実際の組合せ最適化問題におけるパラメータ調整を行い、量子アニーリングマシンやイジングマシンをさらに効率的に活用するスキルを習得することを目指します。
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