活動報告
講習会
2024.09.24 written by
2024年6月13日から7月5日の4回(毎週木曜開催)にわたり、AIC主催の講習会「LLMとアクター思考を活用して、自分たちの手で街をデザインしてみよう 〜入門編〜」を開催しました。受講生は14名、3グループに分かれて、ChatGPT-4oを用いた日吉の都市構想に取り組みました。
第1回(6月13日)
AIC特任教授の奥出先生が実際に携わった糸島市の都市構想について、ビデオで実例を学びました。また、LLM(大規模言語モデル)とアクター思考の基本を学び、AIと対話することに慣れることを目的として、ChatGPT-4o(以降ChatGPT)を用いたシリアスゲームに挑戦しました。
第2回(6月20日)
各グループに分かれて日吉の都市構想に取り組みました。まずはGoogle Earth上で日吉街歩きし、気が付いたことや気になったことをスマートフォンのアプリに音声データとした記録、それを文字起こししてChatGPTに入力しました。ChatGPTを「文化人類学のフィールドワークをしっかりと学んだプロ」と設定し、文字起こしした内容を素材としてエスノグラフィー*の作成を依頼しました。
・・・※エスノグラフィー(ethnography)とは、社会科学の一分野であり、フィールドワークや参加観察を通じて、人々の文化や行動を詳細に記録し分析する研究手法です。特に、人々がどのように生活し、相互作用し、意味を形成するのかについて焦点を当てます。エスノグラフィーで収集されたデータは、詳細な記述やコーディングを通じて分析されます。得られたデータをどのように解釈し、意味付けするかが研究の重要なポイントとなります。・・・
第3回(6月27日)
前回までに作成されたエスノグラフィーのドラフトに、自治体などから公開されている様々なデータをインプットし、構想をより現実的な都市計画に練り上げていく作業を行いました。
第4回(7月5日)
第3回に引き続き都市計画の精度を上げる作業を行いました。ChatGPTにインプットするデータの取得やその読み込ませ方など、操作にも慣れてきて、高度な分析にも挑戦しました。
まとめ
キャンパスがある「日吉」を塾生自身が街歩きして得た情報に、国や自治体が提供する実態に基づいたデータを掛け合わせることで、都市構想として目指すところが現実的かつ明確になり、街が抱える課題を洗い出すことができました。ChatGPTとの対話の仕方やインプットするデータにより、得られる結果が変わってくるため、生成AIを活用することで効率的に選択肢を広げられることを受講生は経験しました。
講習会の前半は、AIと「対話する」ことの方法がわからず、受講生には戸惑いも見られましたが、講義を進める中で対話のコツをつかみ、プロンプトエンジニアリングのスキルが向上していく様子がうかがえました。